17 ギリシャ神話の生物と怪物

 17 ギリシャ神話の生物と怪物

Richard Ortiz

ギリシア神話は、西欧諸国で最も一般的で有名な神話のひとつである。 芸術、演劇、映画は、常にギリシア神話からインスピレーションを得てきた。 有名で輝かしいが欠点もあるギリシアのオリンポスの神々、強力な半神半人の英雄たち、そして彼らが創造したり戦ったりした怪物たちは、常に想像力をかきたててきた。

しかし、通常は神々や半神が主役なのだ!ギリシャ神話の怪物たちの恐ろしく不思議な世界は、敵役として登場する場合を除いて、見過ごされがちである。 古代ギリシャ人が、奇怪な力を持ち、人間の生活に強い影響を与える恐ろしい怪物たちを創造したことを知る人は多くない。

ギリシャ神話の神々と同じように、さまざまな神話や伝説の中には発見すべきものがたくさんある。 ここでは、最もインパクトがあり、力強く、あるいは奇妙な神話や伝説のいくつかを紹介しよう!

グリークの神話上の生物とモンスター

ティフォン

ティフォンは、大地の原初の女神であり、祖先の母であるガイアの最後の息子である。 ティフォンは、ギリシア神話に登場する怪物の中で、最も致命的で、最も危険で、最も強力な怪物と考えられている。

肩には百匹の蛇の頭があり、火や毒を吐き出し、恐ろしい音を立てると言われている。 ティフォンも蛇のようで、蛇の尾や下半身全体が蛇の姿で描かれている。 巨大な竜の翼と数本の手を持っている。 腰からは蛇の巻き毛が生えている。

ティフォンは神々も恐れるほど恐ろしかった。 ゼウスは最終的に彼を始末し、100本の稲妻で彼を撃ち、シチリアのエトナ山の地下に投げ込んだ。 だからエトナ山は火山なのだ。

エキドナ

エキドナは "怪物の母 "とも呼ばれ、ティフォンの妻で、下半身は巨大な蛇(尾は一本か数本)、上半身は華麗な女性という蛇の姿をしている。 猛毒を持ち、ハーデスの王国がある冥界に住んでいた。

エキドナはギリシャ語で "毒蛇 "を意味する。 ギリシャ神話に登場する蛇のような女性は彼女だけではなく、様々な神話に登場するドラセナがいる。

キメラ

キメラは、ライオンの胴体から蛇の尾に先細りし、背中には火を噴くヤギの頭がある。 蛇の尾の先が蛇頭になっているため、キメラの頭は2つではなく3つであることが多い。

キメラは、ヘラクレスが十二の労苦の一環として狩ったネメアのライオンと、スフィンクスという2つの怪物を生んだと言われている。 英雄ベレロフォンが鉛の先がついた槍で立ち向かうまで、キメラは恐ろしく、無敵だった。

彼女がベレロフォンに火を噴こうと口を開いたとき、ベレロフォンが槍を突き刺すと、その熱で鉛が溶け、彼女の胃袋を満たして窒息させた。

ヒドラ

ヒュドラは、アルゴリスのレルナ地方に生息する恐ろしい海や水に棲む生物である。 そのため、「レルナのヒュドラ」と呼ばれている。 ヒュドラは毒を吐くため近寄ることができず、その息が人間に触れると死んでしまう。 9つの頭を持つ巨大な蛇として描かれているが、最初は頭が1つだったという説もある。

ヒドラの最も恐ろしい特徴は、頭を切り落とされても、すぐに別の頭が2つ生えてくることである。 また、噛まれると猛毒で死に至る。 頭が1つでも残っていれば不死身である。

ヒュドラにはヘラクレスの二度目の労苦があった。 ヘラクレスは手っ取り早く頭を切り落とそうとしたが効果がなかったため、甥のイオラオスに助けを求めた。 イオラオスは火のついた松明を持ち、ヘラクレスが頭を切り落とすたびに松明を切り株の上に置いて、新しい頭が2つ出てくるのを防いだ。 これをすべての頭を切り落とすまで続け、ついにヘラクレスはヒュドラを倒すことができた。

スキュラとカリブディス

この二匹の怪物は、『オデュッセイア』に登場する一対の怪物である。 二匹は、非常に狭い海峡の対岸に住み、船乗りに祈りを捧げていた。 スキュラは岩肌に寄りかかっていた。 蛇のような頭をいくつも持ち、海峡に伸びて、行き交う船から船乗りを摘み取っていた。

オデュッセウスは、船員を殺す暇がないよう、カリブディスを避け、スキュラを素早く通り過ぎることを選択した。 にもかかわらず、スキュラは6人を捕らえた。

オデュッセウスは、イカダで再び同じ海峡を航行しなければならなくなったとき、カリュブディスに遭遇する。 イチジクの木につかまって一命を取り留めたものの、イカダを怪物に奪われてしまったのだ。 イカダには誰も乗っていなかったため、オデュッセウスはイカダを吐き出し、なんとか航海を続けることができた。

ゴルゴンズ

ゴルゴンはティフォンとエキドナの娘である三姉妹で、名前はステノ、エウリュアレ、メドゥーサ。 三姉妹の中で最も有名なメドゥーサは、ゴルゴンの中で唯一不死身ではなかった。

ゴルゴンの体については様々な描写があり、腰から下が蛇のような体をしているという描写もあるが、多くは普通の人型の体をしている。 ゴルゴンを怪物的で恐ろしく、致命的な存在にしたのはゴルゴンの頭である。 大きな目、髪の毛の代わりに蛇、イノシシの牙が生えた大きな口、恐ろしい巻き舌、時には髭まで生やしていた。

最も有名なメドゥーサは、英雄ペルセウスによって殺された。 ペルセウスは、メドゥーサの石化するような眼差しを避けるため、背中を向けて特別な鏡を見つめながらメドゥーサに近づき、眠っているメドゥーサの首を切り落として袋に入れ、後にその首を女神アテナの盾に捧げた。

サイレン

セイレーンは鳥のような生き物で、初期には鳥の全身に美しい女性の頭を持つ姿で描かれていた。 その後、セイレーンは鳥の足やへそから下が魚のような姿で描かれるようになった。 神話によって翼があったりなかったりする。

セイレーンたちは、突き出た岩や仕掛けのある小さな島に住んでいた。 セイレーンたちは、神々しいほど魅惑的な歌とメロディーのような声で船乗りを誘った。 船乗りは島に近づきすぎて船体を壊し、置き去りにされた。 彼らが岸に上がるとすぐに、セイレーンたちは彼らを食い殺した。

そのため、セイレーンの歌を聞いて生き残ったのはオデュッセウスだけだった。オデュッセウスは船員たちに命じて彼を船のマストに縛りつけ、船員たちはセイレーンの歌が聞こえないように耳を蝋で塞いで船を難破させないようにした。 船は無事に航行し、船員たちはオデュッセウスがセイレーンのところまで潜って泳げるように彼を解放するよう懇願しても気づかなかった。

ハーピー

ハーピーは鳥の体と女の頭を持つ怪物で、顔は青白く「飢えに満ちて」おり、手や翼には長い爪が生えている。 残忍で凶暴なことで有名で、野生の風のような熱情で食べ物や人間を盗む。

突然姿を消した者はハーピーに連れ去られたと言われる。

ラミア

ラミアはかつてリビアの美しい女王だった。 ゼウスは彼女と不倫関係にあり、ヘラの嫉妬と怒りを招いた。 ヘラはゼウスとの間にできた子供を盗み、殺した。 その悲しみがラミアを狂わせた。 狂気の中で、彼女は子供をさらって食べた。

ゼウスは彼女に予言の力と、目を取り出して自在に入れ替える能力を与えた。

その後、ラミアはその名を ラミアイ 妖怪のような半蛇のような半女の霊で、若い男を誘惑し、食い殺す。

スフィンクス

スフィンクスはライオンの胴体に鳥の翼、女の頭を持つ怪物で、とても賢いが残酷でもあった。 テーベの街に続く道のそばに住み、通行人を呼び止めては謎かけに答えるよう要求した。

旅人が謎に答えれば通すが、答えられなければ殺して食べてしまう。 問題は、誰も答えられなかったことだ。

オイディプスはそんな旅人の一人で、スフィンクスの謎を解き明かすや否や、人間が謎を解き明かしたという彼女の驚きに乗じて彼女を殺した。

ペガサス号

ペガサスは巨大な白い翼を持つ美しい白馬。 ポセイドンの父で、ペルセウスがメドゥーサの首を切り落としたときにメドゥーサの血から生まれた。 ペガサスは非常に聡明で気高い。 不浄な心を持つ者が彼に乗ることを許さず、欺瞞を見抜くことができる。

ペガサスは英雄ベレロフォンを乗せ、キメラを退治しようとしたが、オリンポスの頂上にいる神々に近づこうとしたとき、ペガサスの背中から落ちて死んでしまった。

ディオメデスの牝馬

トラキアの牝馬としても知られるこの4頭の馬は、力強く、荒々しく、制御不能であった。 また、人食いであった。 人肉を味わえば、制御できるほど落ち着くため、巨人ディオメデスはこの目的のために人を食べさせた。

ヘラクレスは労働の一環として彼らを捕らえるよう命じられ、ディオメデスを捕らえて自分の馬に食べさせた。 その後、彼らの口を縛ってエウリュステネウスのもとに連れて行き、労働を命じた。 エウリュステネウスは彼らをヘラに贈った。

スティンパリアンの鳥

この鳥はアレスかアルテミスのペットだと言われている。 アルカディアのスティムファリスの町の近くにいた。 青銅のくちばしと金属でできた羽を持っていた。 金属の羽を人に向けて放つこともでき、その糞には毒があった。 ヘラクレスが労働の一環として、ヒュドラの血を混ぜた矢で殺すまで、彼らは群れをなして飛び、人を食べ、農作物を荒らした。

ケルベロス

ケルベロスはティフォンの息子で、冥界の門番だった。 彼は3つの頭を持つ巨大な犬で、ハデスの猟犬としても知られている。 尻尾の代わりに蛇を持ち、体のあちこちからたくさんの蛇が生えていた。 ケルベロスは、魂が冥界から出ることなく、生きている人間が冥界に入ることがないようにした。

ヘラクレスはハデスの許可を得てケルベロスを捕らえ、もう一人の英雄オルフェウスは神の音楽を奏でて彼を眠らせた。

関連項目: アテネのディオニュソス劇場

ケンタウロス

ケンタウロスはテッサリアの山岳地帯に住む半人半馬の民で、婚礼の宴の最中にラピス族の女王が誘拐されそうになったことから、近くのラピス族と絶え間なく争っていた。

最も有名なケンタウロスの一人はケイロンで、アキレウスを教育した賢明な教師であり、優れた医者であった。 もう一人はネッススで、ヘラクレスに殺され、その毒の血はヘラクレス自身の死につながった。

サイクロプス

キュクロプスは、地球で最初に生息した隻眼の巨人で、優れた牧畜民であり、狩猟民であり、優れた武器を鍛えていた。 また、非常に攻撃的で、自分たちのテリトリーに近づく者には致命傷を与える。

ポリュペムスは最も有名なキュクロプスで、オデュッセウスとその乗組員が避難場所を求めて彼の島に立ち寄ったとき、彼を食べようとした。 オデュッセウスは彼に強いワインを飲ませ、酔っぱらって眠っているときに目をくらませることで彼を欺いた。

ミノタウロス

ミノタウロスは、雄牛の頭と巨大な人間の体を持つ怪物である。 彼はポセイドンの罰の産物で、クレタ島のミノス王に生贄として雪のように白い雄牛を与えたところ、王はその雄牛を別の雄牛と取り替えようとした。 この企みに気づいたポセイドンは、復讐のためにミノスの妻パシファエをその雄牛に惚れさせた。

パシファエは牡牛と結ばれたい一心で、ダイダロスに牛の着ぐるみを作ってもらい、牡牛に近づいた。 その結ばれた牡牛からミノタウロスが生まれた。 ミノタウロスは人を食べ、止められないので、ミノスはダイダロスにミノタウロスが住む迷宮を作るよう依頼した。 結局、ミノタウロスはテセウスによって殺され、テセウスはミノタウロスを殺すために迷宮に入った。

photo credits: アレッツォのキマイラ, 国立考古学博物館, パブリックドメイン, via Wikimedia Commons

ギリシャ神話

関連項目: 狩りの女神アルテミスについての興味深い事実

オリンポス山の12神

オリンポスの神々と女神の家系図。

ギリシャ神話の本

ギリシャ神話 作品リスト

ギリシャ神話の邪神たち

Richard Ortiz

リチャード・オルティスは、新しい目的地を探索することに飽くなき好奇心をもつ、熱心な旅行者、作家、冒険家です。ギリシャで育ったリチャードは、この国の豊かな歴史、素晴らしい風景、活気に満ちた文化に対する深い認識を深めました。彼は自身の放浪癖に触発され、自分の知識、経験、内部情報を共有し、他の旅行者がこの美しい地中海の楽園の隠れた宝石を発見できるようにする手段として、ブログ「ギリシャ旅行のアイデア」を作成しました。人々とつながり、地元のコミュニティに没頭することに真の情熱を持っているリチャードのブログは、写真、ストーリーテリング、旅行への愛情を組み合わせて、有名な観光拠点からギリシャ沖のあまり知られていないスポットまで、ギリシャの目的地に関する独自の視点を読者に提供しています。踏み固められた道。初めてのギリシャ旅行を計画している場合でも、次の冒険のインスピレーションを求めている場合でも、リチャードのブログは、この魅力的な国の隅々まで探索してみたくなる頼りになる情報源です。